【一番下に追記あり2013/08/25】
今回はだ・である体で(笑)。
定期的に欲しいとtweetしたりしていたカーナビ。冷静に考えなくとも、年間走行距離や頻繁に知らない場所に出かけることが少ない私に、必要だと言い切ることができない。ただし、年に数回「カーナビがあったら、楽だったかも。」という【may】な考えはあったのは事実。
数ヶ月に一度といってもいいだろうか。今になってその過程を思い出してみると、カテゴリーはほぼ決定されていたようだ。カーナビはあくまでもsupportだという根幹的な考えを持っていたこと。それを維持し続けていたことが今回重要であったことから、それをベースにカーナビ購入について考えていく。
欲しいモデルのカテゴリー。
それはポータブル・ナビゲーション・デバイス(以下PND)である。通常は内蔵されるRAMに地図データを持つことで、HDDが付いていないタイプはほぼ属し、コンパクトなものを指す。有名な商品名と言えば三洋のゴリラがある。
シガーソケットから給電して、通常は結線する必要なくダッシュボード上に固定することで、ボディー内蔵のGPSを用いて測位する商品が多い。最近でこそ大きいものの。液晶サイズは小型のものが多く、取り外しも容易で比較的安価な商品が多い。そこで全体の分類をイメージとして簡単に図示してみた。

上に行くほどに高価で選択肢が狭く、下に行くほど価格が安く選択肢が広い。カーナビの場合GPSの測位性能は昔に比べると飛躍的にアップしているので、異常におかしな場所を指し示すのが恒常的なモデルというものは基本的にはない(散発的にはもちろん起こりえることをあえて言及しない)。
地図を読むときに常に北向きでも問題なく自身の一を把握できる人は、超絶精度なんてものは実は必要にならない。むしろ「これだけ高かったのだから、こんな精度じゃ困るんだよボケッ!」という投資を回収したい心理が最も影響しているのだと思っている。
私のカーナビ選び。
私の場合のカテゴリー選択基準はこうだ。
1 安価であること。
2 2DIN専用モデルでないこと。
3 できるだけ小さいこと。
4 地図がなるべく新しいこと。
5 ワンセグなし。
非常にシンプルだ。もちろんこれは人によってずいぶんと変わってくる。あくまでも私の場合である。
条件2によって必然的にPNDでの選択となることは自明。しかしなぜに2DINタイプは嫌なのか。欲しい機能を満たすもので安価なものがないからである。欲しい機能と天秤にかけたとき、わざわざ取り付けが面倒な埋め込み型を買う理由がそこにはない。

実際のところ、この不必要って言うのはある意味文句を言わせない最強文言の一つかもしれないけれど、これが自分自身にとっての現実で代えがたい条件だったりする。
取り付けは自分で行えば事足りるが、そこまでして埋め込み型を欲しいとも思わないということだ。
それで次に条件1を当てはめると、これが想像以上に商品が多いため選択肢があることに驚く。ただし、最新版の地図に近いほど製品の登場時期も近くなるために当然価格は上ってしまう。安価というのは相克みたいなもので、どこで納得できるかという線引きが非常に難しくなる。
では、絶対的価格を重視せずにコストパフォーマンスを重視するとどうなのだろうか。実はそうすると結果的に高価なモデルになってしまうケースが多くなるのだ。それはメーカーが最も牽引していきたいグレードと合致することになるわけであり、俗に言うところの「乗せられる。」というやつである。
ゴリラなどは最も選択されやすい商品であることは間違いない。ただしワンセグが付いてくる。付いていても必要なければ見なければよい。もちろんそうだが、テレビ嫌いの僕としては美学に反する。この美学は下らんが大切なことなのだ。
結果的にiPhoneアプリにしたものの、最後まで考えていたのがガーミン(http://iiyo.net/mobile/products.htm#automotive)の製品だった。きっとこれを購入していても満足度は高かったに違いない。文句もないだろう。ただ、個人的な理由で名二環(名古屋第二環状線)が表示されていない地図を購入する気にはなれないという、いってみれば『最新モデル購入フラグによる高価な商品を買わなくてはならない』ジレンマに陥ってしまう。これはゴリラの各グレードでも同じことで、必然的に現行型を選ばざるを得なくなる。
ふとした会話がきっかけだった。
あるときに実際はもっと漫然としていたものの、会社の人間と上記のような話をしていた。無意味で傲慢なこだわりのために、自ら選択肢を狭めている僕に彼はこう言ったのだった。
「iPhoneのアプリではいけないのか?」
脳天直撃セガサターンなどというキャッチコピーも久しいが、まさにその言葉は青天の霹靂にも等しいものであったのだ。その日の夜、記憶が薄れぬうちにApp Storeにて手続きを行った。
選んだアプリケーション(Navielite カーナビ渋滞情報プラス)は年額3800円の更新制であり、極端な話として10年使用し続けた場合でも38000円という計算。もちろんそこには通信費という見えない課金も発生するが、iPhoneを電話として使用している間はカウントすべき問題じゃない。そう、ここで条件1が満たされることになる。
余談だが、条件1をもっと掘り下げてみてみるとよくわかる。例として売れ筋最廉価モデルを挙げてみると、楽ナビLite AVIC-MRZ05 54800円、エアーナビ AVIC-T55 29909円、GORILLA CN-GL410D 34779円と性能から言えばずいぶん安価で購入できるようになったものだなあと感慨深い(価格は2012/02/12付のカカクコム最安値)。
しかし、ここで地図更新という落とし穴が待っている。実際問題として地図の価格は高いのだが、モデルによっては3年間の更新権利が付帯されているものもある。ただここにも多段落とし穴があり、最廉価グレードでの多くがこの権利を有していない。上にも書いたが地図の単体価格は結構な値段である。高いのだ。結局更新せずに使い続けている人も意外と多いのではないだろうか。
それともう一つ、車の買い換えサイクルが伸びたとはいえ、カーナビ本体そのものを頻繁に買い換えもしない・地図も変えないだと、特に都市部などでイマイチ使い勝手の悪くなってしまう弊害もある。iPhoneのアプリケーションなら、配信される時点での最新地図を使用できるということになるので、常に地図更新をしている状態と同じと考えることができるために、新設されたバイパスや延長された路線がすぐに利用可能だ。
他によく周りで耳にするのは使用形態は、HDDに音楽を入れてミュージックサーバーとすること。故障率はそんなに低くないというのが聞いた印象。そこをいくとiPhoneのiPod機能の方が遙かに高いことになる。これは音声出力をどうするかで音質云々の問題も出てくるが、サーバー機能のことに重きを置いて話を進めているのであしからず。
価格面以外で言うと、その他の条件はすべて満たしてしまうことに気がつく。なんとコストパフォーマンスが高いことだろう。おまけに上位機種にしか付いていない、またはオプションでしか用意されていないVICS情報に対応しているのだから文句はない。地図上に色分けされた渋滞情報が示され、工事箇所なども一目瞭然なのだから迷うことなくアプリでまかなうことにしたわけだ。万が一気に入らなければ1年間でやめればいいだけのこと。使ってみて便利なら使い続ければいいわけだ。
使い勝手いいよ!
ここからは実際にアプリを使ってみた感想を述べていく。

案内表示中の画面で実際の走行中のスクリーンショット。

縮尺を変えた二画面表示の例。右は常に北を上に設定し縮尺は最も詳細の50m。

左の黄色く表示された時間がFM VICS受信時間。実際はその受信情報をパケット経由で受信していることになる。

当然3D表示も可能。赤い矢印は渋滞を示す。工事箇所や車線規制などもアイコン表示され、案内の最終に周辺道路でそれらがある場合は音声で知らせてくれる。
アイシン製だけあって、好き嫌いは置いておいてトヨタ純正に使用されている見慣れた画面だ。実はそんなに見やすいとは思っていなかったのだが、ないとあるのでは大違い。使ってみると何にも問題ないことに気がつく。要は慣れなのだと。
画面は横画面にしか対応しておらず、画面回転機能のロックを外すことによって向きを変えられる。タッチ精度はiPhoneのそれなので問題はない。画面は当然小さいので、運転者からの距離が離れると、「小さいかも……。」と感じることがあるかもしれない。音声は小さいという評価があったものの最大音量にすれば聞き取りにくいとは感じなかった(2012年2月17日においてはアップデートで音量が改善されているとのこと、より聞きやすくなっているようです)。
地図の見やすさや全体的なUIは、画面の表示変更でいくつかのパターンの中から選択できる。これは自分に一番見やすいと思うものを選ぶといい。私の場合はいろいろ試してみたもののデフォルトで使用している(あれ?これって見やすいってことなのかもね(笑)。

上記の方法の他にも、ジャンル、郵便番号、履歴から、マップコードなど様々な方法から割り出すことができるので使い勝手は非常に高い。
これも細かな設定でON・OFFが可能な項目なのだが、急なカーブが進行方向に現れること、踏切があること、事故多発エリアであること、何キロ先に渋滞が発生していること、工事による車線規制などを音声で教えてくれる。そのまんま立派なカーナビなのである。

設定は想像よりも多岐にわたっており、自分が使いやすいようにカスタマイズが可能。
ルート案内をすると大通り優先で示してくるのは当然としても、しっかり5ルート検索を行い、条件指定で変更も可能。安いモデルだとこういう機能は付いていないことも多いので、ちょっと驚いてしまう部分である。
GPSの測位性能はiPhoneの測位性能そのもの。かなりの精度で地図上に自車位置が示される。またその追従性も高く、交差点等の拡大表示においては通常の2DIN製品と何ら遜色ない印象を持つ。700M先左折など音声案内も不安なし。
もう一つ驚いたのは、3D表示だけでなく2画面独立で変更可能なこと。縮尺はもちろん、片方を2D表示にすることも可能だ。普通のカーナビ専用機が果たして必要か?と思ってしまうほど高機能である。当然ハンズフリー機能もある……、いや、あるというかiPhoneが電話なのでもちろん可能。音楽を流しながらナビゲートさせたりは当たり前で、通話もタスクが割り込んで普通にできてしまうということだ。
私の場合は吸盤タイプのiPhoneフォルダーを、メーターバイザー外側の湾曲したダッシュボード上左側にやや強引につけている。しっかりと付いているようで振動程度では外れないので問題はないはずだ。
アプリの特性上電池の消費は激しくなるので、シガーソケットからの給電を常時しながらにしていることは付け加えておきたい。メーター左側につけるため、形状の問題でホームボタンが左側に来るように画面の回転機能のロックを解除して使用している(デフォルトは左にホームボタンが来るように天地が設定されているため)。
結果的にどうなのか。
実際に車に取り付けて使った感想であるが、非常にコストパフォーマンスが高い。それもずば抜けている。回線はソフトバンクなので、圏外でない限り十二分に威力を発揮する。
自車位置は基本的には正確な位置を示し、近くのコンビニやトイレを急に探したくなったときでも地図上に表示することができるためとても便利。4回ほど知っている場所も含めてナビゲートしてもらったが、大きめの通りを選択する癖は当然だが困るまではいかない。また、リルートもおおむね10秒もかからない印象で、渋滞を考慮してくれているかのようなルートを導き出してくれていた。
画面写真も貼ったが非常に高精細できれい。横画面で慣れ親しんだレイアウトに困ることもない。詳細地図は50mだがこれ以上細かいものは実際必要とまではいいきれない。あったら便利なときもあるかもしれないという縮尺だ。
私に関して言えば、ここには求めていた機能がすべて搭載されている。普段持っている電話を必要なときだけナビゲーションにスイッチ。まさかこんな気軽に高機能なものが使えるとは。
Google mapのナビゲート機能は地図表示は問題ないものの、iPhone版は最低限の機能を持っているという印象。案内ポイントが示され、それを手動で送っていかねばならないのは運転中にはやや面倒に感じてしまう。
棒言う煩わしさがゼロになり、近くのコンビニやトイレ、飲食店を検索する手間を最小限にしつつ、とどめのVICS連動案内である。現状で言えば文句は全くない。震災時に無料になったカーナビアプリよりも正確に的確にわかりやすい。
iTunesのサイトhttp://itunes.apple.com/jp/app/id405465049?mt=8
もうこれは普通のカーナビだといってもいいだろう。普段からテレビなんぞ見ない私には、待ってましたのアプリケーション。1年で3800円。気に入らなければ更新しなければいい。新製品を買っても気に入らなくても使い続けなくてはならないリスクは完全に回避可能。なんといっても、カーナビに自分の車につける試乗車的なサービスはないのだから。
アンドロイド版もでているので、興味がある人は一考することをおすすめする。私みたいに「あったらよかったのに!」が1年に数回訪れるなら、十分元を取れるのかもしれない。
*2013/08/25追記
ええっと、2年目に突入していますが、ここがちょっとなあという部分がるので追記しておきます。それはスマートフォンとしてのUIです。スマートフォンで使うのにもかかわらず、文字を選択するときやスクロールにスワイプしたりということが使えません。文字を打つときなどは分かりやすいですが面倒な五十音順のボタンです。それに、レスポンスも悪いです。
機能としては本当にカーナビそのものなんですが、使い勝手もカーナビそのものなのですね(笑)。 圧倒的に早い文字入力と比べると、イライラが募ります。現在ではGoogleの地図も高精度だけでなく交通情報を考慮したものになってきています。もっとも、「え?ここで案内終了なの?」っていうものも少なくはありません。要は使い方なのでしょうが、次回の更新時にもう一度使うかどうかは難しいところです。ナビの機能には不満がない。全てはUIです。いや、UIというか、iPhoneとリンクしない操作性ですね。ここだけが気になっています。
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